森丸彼方のなんちゃって創作ブログ。
お蔵入りネタや、サイトで公開しているネタのメモ代わり等。
ネタバレが出るかもしれません。閲覧注意。
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NLってなんだっけと思いながら書いた文その2
Tre Saysに比べたらティアーズティーには結構未練があります。
自分の中で話がまとまったら、また書き出す日が来るかもしれません。
来ないかもしれません。
もしも書き出したらその時は、このふたりをそこそこ贔屓したい気持ちがあったりして。
ぼちぼちティアーズティーの設定をこのブログに載せるべきかもしれない。
約一時間で気軽に書いたものなので、頭が悪い内容かもしれません。
内容がないよう。二人が楽しんでいるだけだよう。
Tre Saysに比べたらティアーズティーには結構未練があります。
自分の中で話がまとまったら、また書き出す日が来るかもしれません。
来ないかもしれません。
もしも書き出したらその時は、このふたりをそこそこ贔屓したい気持ちがあったりして。
ぼちぼちティアーズティーの設定をこのブログに載せるべきかもしれない。
約一時間で気軽に書いたものなので、頭が悪い内容かもしれません。
内容がないよう。二人が楽しんでいるだけだよう。
嬉々とした様子で差し出してきた袋の中は、るいきにとっては到底信じられない代物だった。
渡してきた叶彰の様子を見ると、何が楽しいのか大袈裟なほどにやけ顔を浮かべていて、いっそ不快な感情すら抱く。
二人が向かい合い、空気が冷える。休日の公園を冷やしたのは風か、それともるいきの眼差しか。
「なんですかこれ」
「喜ぶかなと思って」
「なんですかこれ」
「いやー、パン好きなんて可愛いとこあるじゃん」
「なんですかこれ」
「ま、店の前でばったり会ったのも何かの縁だし。俺とお前の仲ってことで、今回は先輩に奢らせてくれや」
「なんですかこれ」
「スシパン」
「なんですかこれ」
「ん? SUSHI-BREADだったかな?」
「なんですかこれ」
「え? 海原知らないのか? 常連なんだろ?」
「そうですよ、常連ですよ。だから聞いているんです、なんですかこれ」
「質問の意図がわからないなー」
「私はあなたのチョイスが理解できません。お返ししますねこれちゃんとお金は払いますのでいくらでしたっけ教えてくださいあレシートでもいいですよ見せてくださいほら早く」
「いや、後輩ちゃん怖いから」
一学年上の先輩である叶とはひょんなことから出会い、それから何かと気にかけてくれる。頭も良く口も達者な頼れる先輩だが、人を食って楽しむ一面がある。それを分かっていながら、店の表でばったり会ったというだけでおやつ用のパンの選択を彼に一任してしまったのは完全に失敗だった。今になって後悔したところでスシパンはスシパンでしかないのだが。
るいきは菓子パンを好んでいた。それはもう不定期に全てを投げ打ってでも食べたくなる時があるほどの好物だ。しかし好きなのは菓子パン、言ってしまえば甘いそれであって、スライスしたパンの内側にわさびを塗りたくりマグロの赤身を挟んだそれを口にする気は毛頭ない。せめてわさびではなくわさびクリームだったら口にしたかもしれない。マグロがサーモンだったら。パンが白米だったら。ゲデモノ枠でなくフレッシュなサンドイッチ枠にカテゴライズされていたら。
だが、スシパン以上に頭が痛いのは、それをあえて取ってきたどうしようもない先輩だ。勢いに押されて引きつってはいるが、にやけ顔はにやけたまま。引っ叩きたい衝動すら湧き上がるが、ぐっと堪えて袋を押し付ける。
「これあげます」
「おっ、ありがとー! いやープレゼントとは嬉しいわー男冥利に尽きるわー」
「足踏んでいいですか」
「冗談だよ足上げるなよ。後輩ちゃん怒ると怖いな」
「あなたにだけですよ」
「うわー憧れの台詞をこの流れで聞けるとは」
「お金返しますからレシート見せてください」
「奢らせてくれって言ったじゃん。どうしてもっつーなら、俺のと交換な」
がさりと差し出された新たな袋に、見慣れた丸みが透けて見える。
小さく唇を尖らせて、袋から出す。クッキー生地を使用した焼きたてメロンパンはお気に入りのひとつだ。
かじってみれば独特の軽い歯ごたえ。控えめな甘味はいつ食べてもるいきの心を癒してくれる。
叶はやはりにやにや笑っていた。
「うまいか?」
「……はい」
「お気に召したなら何より」
「最初からこっちを渡してくれればいいのに」
「ばくばく食べすぎたらまずいだろ? 俺なりの気遣いだよ」
「もしも太ったら先輩のせいにします」
「厳しいなー……」
「そっちは食べないんですか?」
「え?」
「スシパンでしたっけ」
「あー……んー……、海原、半分わけてくれたりしない?」
「先輩の権限を使われたら、しぶしぶ渡すかもしれません」
「やりにくい言い方してくれちゃって」
るいきはベンチに、叶はベンチの手すりに座って、それぞれ小腹を満たしていく。
そばから聞こえるわざとらしい感激の声に耳を塞ぎ、こちらを窺うような視線に目を閉じて、極上の甘味を堪能する。
こんな日も、たまには悪くないかもしれない。
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